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【コラム70】ユニークなデザインを守る!意匠権の重要性
今回は、意匠権の重要性について「アルバ・スプーン」の事例をもとにご紹介します。
「アルバ・スプーン」はセイコーインスツル株式会社の腕時計で、1995年に発売されてから1年で100万個を売り上げるなど一世を風靡した商品です。
遊び心のあるユニークなデザインが特徴的で、特に「ボーダー」や「ヨコノリ系」と呼ばれる、サーフィン、スノーボードやスケートボードを好む若者たちをターゲットとしていました。
ターゲットの好みや価値観を知るために、街頭での「グループインタビュー」を繰り返し、デザインに反映させていったといいます。
街頭で出会った若者の「ぷっくりして温かいもの」というウオッチのイメージや、同社が1973年に発売したデジタルウオッチのデザインなどをアイデアの起点とし、未来的かつ懐かしいデザインを生み出しました。
このデザインを守るための模倣品対策も万全でした。
発売前に意匠登録出願し、模倣品が出回った際には早期審査制度を申請、発売から10ヶ月で意匠権を取得しました。また、日本のみならず諸外国でも意匠権を取得していました。
税関に対して模倣品の輸入差し止めを申請し、5日後には横浜税関で8,200個もの模倣品が差し止められたほか、香港など外国でも差し止め訴訟を展開していていきました。
ユニークなデザインは、ヒットすればするほど多くの模倣品が出回るようになります。
粗悪な模倣品は正規品の需要を奪うだけでなく、ブランドイメージの低下に繋がるため、意匠権を取得して対策する必要があります。
また、意匠権や特許権といった知的財産権は取得した地域でのみ有効な権利ですので、海外進出を視野に入れている場合は、国際出願も早めに行うことが望ましいでしょう。
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