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【コラム】外国意匠の出願の流れ

2021.2.1

意匠は取得した国のみで有効となり、世界意匠や国際意匠といった名前のものはありません。これを属地主義と言います。ここでは海外で有効な意匠を取る方法についてご説明します。現在、意匠を各国特許庁へ出願するためのルートは大きく分けて二つあります。一つ目はパリルートと呼ばれるルートで、パリ条約による優先権制度を利用し、各国へ直接出願します。二つ目はハーグルートと呼ばれるルートで、一つの出願で複数国に出願するのと同様の効果が得られます。この二つのルートについて詳しくご紹介します。

(1)パリルート出願
パリルートでは最初に日本語で日本の特許庁に出願した後、他に出願したい国の言語に翻訳し、各国の弁理士を通じて各国特許庁に出願します。日本での出願から外国への出願までの時間差による不利益を被らないために「優先権の主張」という制度があります。

この「優先権の主張」は日本での出願から6ヵ月間有効であり、その間にパリ条約加盟国へ出願して優先権を主張すれば、新規性や進歩性を審査される際の基準日を日本で出願した日にできます。また、6ヵ月以内であればいつ出願しても同じ基準日になるため、この間は出願国を慎重に検討することができます。

(2)ハーグルート出願
ハーグルートは特許や実用新案におけるPCTルートや商標のマドプロ出願に似たルートです。最初に日本の特許庁を通して国際事務局へ間接出願をするか、国際事務局へ直接出願をします。PCTルートとは異なり、出願の際に指定国を決定することが必要です。国際事務局へ一度出願をすると、一元的な方式審査を経て出願書類に不備がなければ、全ての締約国への同時出願と同等の効果を得ることができます。この国際登録日から6ヵ月以内に国際公表が行われ、各指定国特許庁が写しを受領し、審査に入ります。問題が無ければそのまま登録となりますが、拒絶理由が発見された場合は国際事務局を通して拒絶が通報され、意見書や補正書を各国代理人経由で各国特許庁へ提出することになります。

拒絶理由がなかった場合は、各国の言語に翻訳したり現地弁理士を探したりする必要がありません。また、ハーグルートはパリルートに比べて権利化が早く、意匠権の管理も国際事務局にて一元管理されているため、存続期間の更新や国際登録の変更が簡便です。

したがって、複数国に意匠登録をしたい場合は現地弁理士費用が節約できるハーグルートが良いでしょう。なお、ハーグ協定の締約国でない国への出願や、拒絶査定が来ることを考慮する場合にはパリルートも有効な選択肢となります。

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