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【コラム46】世界の特許出願動向
2022.8.9
世界の特許出願件数は長期的には増加傾向にあります。
1995年には約100万件でしたが、2010年には200万件、2016年には300万件を超えました。
2020年の出願件数は前年比で1.6%増加し、330万件となりました。
要因としては、中国の出願件数増加(前年比96,498件増加)が大きいと言えます。
2020年の特許出願件数国別ランキングトップ10はこのようになっています。
順位 | 国名 | 件数(件) | 前年比(%) | 非居住者割合(%) |
---|---|---|---|---|
1 | 中国 | 1,497,159 | 6.9 | 10.2 |
2 | アメリカ | 597,172 | -3.9 | 54.9 |
3 | 日本 | 288,472 | -6.3 | 21.2 |
4 | 韓国 | 226,759 | 3.6 | 20.4 |
5 | ヨーロッパ特許庁 | 180,346 | -0.6 | 54.8 |
6 | ドイツ | 62,105 | -7.9 | 32.0 |
7 | インド | 56,771 | 5.9 | 59.2 |
8 | ロシア | 34,984 | -1.5 | 32.1 |
9 | カナダ | 34,565 | -5.3 | 87.1 |
10 | オーストラリア | 29,294 | -1.6 | 91.9 |
カナダとロシアが入れ替わった以外に、前年度からの順位の変動はありませんでした。
新型コロナウイルスの流行によって世界経済が落ち込み出願件数が減少する国も多い中、
トップの中国や韓国、インドでは出願件数が増加し、世界全体としても増加という結果になりました。
アメリカの二倍以上の出願件数を持つ中国をはじめ、全出願件数に占めるアジアの割合が多くなっています。
また、アジアの特徴として非居住者割合が低いことが挙げられます。
非居住者割合とは、特許庁の所在国以外に居住する者による出願の割合です。
特に中国では自国の出願人による出願が多くなっています。
そのため、中国国内の政策によって出願件数が左右されやすいでしょう。
日本の特許出願件数は減少傾向にあります。2011年の342,610件から次第に減少し、
2020年についに30万件を切りました。しかし、日本国特許庁を受理官庁としたPCT国際出願件数は2014年~2019年の間増加し続けており、2020年は前年比4.5%減少したものの、高い水準を維持しています。
研究開発や企業活動のグローバル化が背景にあると考えられます。
特許出願の盛んな中国やアメリカでの権利確保は、グローバル展開を考えるうえで重要になってきます。
また、冒認出願の被害に遭わないためにも先手を打って出願しておくことが大切です。
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参考文献
WIPO World Intellectual Property Indicators 2021 © WIPO, 2021
特許行政年次報告書2021年版