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【コラム10】中国の冒認商標出願への対策

2021.2.3

本来は出願する権利を持たない第三者が出願し、先に権利を取得してしまうことを冒認出願と言います。今回は、実際に中国で自分の商標が冒認出願されているのを発見した場合の対策についてご説明します。
取ることができる法的対抗措置は登録広告の前か後かによって異なります。

(1)登録広告の前の場合:異議申立
初歩査定公告日から3ヶ月以内であれば、異議申立が可能です。

(2)登録広告の後の場合:無効宣告請求、継続3年間不使用による取消審判
無効宣告請求は、通常商標登録が許可されて5年以内であれば請求可能です。ただし、著名商標についての悪意による冒認登録の場合はその制限を受けません。
継続3年間不使用による取消審判については、商標権者が商標の使用証拠を提出できない場合、または提出した証拠が無効とされ、且つ不使用についての正当な理由がない場合には
登録の取消が可能です。

異議申立と無効宣告請求の主な理由
・使用を目的としない悪意による商標出願であること
・公知な外国の地名であること
・他人の同一の商品もしくは類似の商品について既に登録もしくは初歩査定された商標と同一もしくは類似すること
・地理的表示であること
・他人によって先に使用された一定の影響力を有する商標を、不正な手段により先行登録したこと
・その他の著作権や意匠権、肖像権などの先行権利を侵害したこと
・法的代表者や代理人の関係または売買関係、委託加工関係などの業務往来関係による出願であること
・欺瞞的な手段またはその他の不正な手段により登録された商標であること

実際に法的対抗措置を取る際の注意事項
法的対抗措置をとる際は、証拠を集めておく事が非常に重要です。訴訟段階になってから新しい証拠を提出することは原則認められないため、多くの関連証拠を早めに提出しておく必要があります。
また、代理人費用や翻訳費用、証拠収集費用なども発生するため、ある程度の費用がかかることを頭に留めておいたほうが良いでしょう。

冒認商標に対して事前にとるべき防止策
最も有効なのは早期に商標出願をすることです。また、出願の際に日本語や英語と同時に漢字での商標も出願することや、指定役務の範囲を予定しているビジネスのものよりも幅を広げて近しい商品の役務にまで出願することも冒認出願の防止につながります。さらに、中国での商標の検索を用いて、自分の商標が冒認出願されていないかどうか調査、監視することや、中国国内で商標が著名商標である証拠を持続的に収集することも重要です。

中国で冒認商標出願が多い理由については、こちらのコラムをご覧ください。

【コラム】中国で冒認商標出願が多い理由

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