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【コラム】意匠法の改正のポイント

2021.1.1

2020年4月に施行された意匠法の改正で大きく変わった五つのポイントをご紹介します。

(1)保護対象の拡充
新たに保護対象として「物品に記録・表示されていない画像」と「建築物の外観・内装」が規定されました。
「物品に記録・表示されていない画像」とは、クラウド上の画像またはネットワークによって提供される画像や、壁や人体に投影される画像または拡張現実や仮想現実上で表示される画像のことをいいます。具体的には、スマホアプリの操作画面のデザインなどが当てはまります。
「建築物の外観・内装」についても、以前は物品形状等ではないとして保護対象外とされていました。しかし、店舗デザインに趣向を凝らすことで差別化を図る企業が近年見られ、こういったデザイン投資の収縮を防ぐためにも、建築物のデザインも意匠法で保護されることになりました。

(2)関連意匠制度の規定変更
以前は関連意匠の出願可能期間が意匠広報発行日まで、つまり約8か月でしたが、本意匠の出願から10年に変更されました。また、関連意匠の類似意匠が本意匠の関連意匠として出願可能となりました。

(3)意匠権の存続期間
意匠権の存続期間の満了日が「設定登録の日から20年」から「意匠登録出願の日から25年」に変更となりました。

(4)意匠登録出願手続きの簡素化
以前までは、一つの意匠出願に一つの意匠しか含めることができませんでしたが、一つの願書で複数の意匠の意匠登録出願が可能となりました。
また、一つの意匠の区切りとして経済産業省が定めていた「物品区分表」を廃止する改正が行われました。これは、近年の急速な技術革新に伴い、多様な新製品が次々と市場に流通するようになり、新製品の登場に物品区分表の改定が追い付けなくなったためです。なお、この廃止により、一つの意匠の区切りの対象が不明確となる恐れがあったため、新たに物品・建築物・画像のそれぞれの基準が定められることになっています。

(5)間接侵害規定の拡充
改正前は侵害品を構成する製品の部品を分割して製造・輸入等する行為を取り締まることができませんでした。そこで、特許法ですでに整備されている規定にならって、間接侵害の対象を拡大する改正が行われました。具体的には、登録意匠に係る物品の製造に用いる物品であって、それが登録意匠の美観の創出に不可欠な物について、その意匠が登録意匠であること及び当該物品がその意匠の実施に用いられることを知りながら商用利用する行為を意匠権侵害としてみなすこととなりました。

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