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【コラム48】中小企業こそ特許を取得すべき理由

2022.9.9

中小企業の皆様は特許を活用されているでしょうか。考えていなかったという方や、費用面で躊躇している方もおられるかもしれません。
今回は特許出願のメリットについてご紹介します。

・知財戦略とは?権利化と秘匿化
技術やノウハウを守る戦略には権利化と秘匿化があり、特許出願は「権利化」にあたります。出願した特許が認められると、独占使用することができる代わりに出願内容がインターネット上に公開されます。

注意が必要なのは、公開された出願内容は海外からも閲覧できるということです。知的財産権は「属地主義」と言って、出願した地域でしか効力を持ちません。例えば日本の特許庁である技術を権利化した場合、特許権は日本国内でのみ有効なので、アメリカで類似品が出回ったとしても権利侵害を訴えることはできません。世界共通の国際特許といったものは存在しないため、海外進出を考える際や、海外での模倣品を排除したい場合には各国で権利化を行う必要があります。国際出願の出願費用は高額なので、特に中小企業にとってはハードルが高くなると言えます。

出願公開時のこのようなリスクを鑑みて秘匿化を選ぶ企業も多いです。秘匿化とは、ノウハウを営業秘密として管理することです。特許の保護期間は20年で満了しますが、秘匿化に成功すれば数十年以上にわたって技術を独占できます。また、自社の開発動向を他社に知られることなく長期的な事業戦略を立てることもできます。一方で、社外流出により大きな損害を被るリスクや、他社に同様の技術を権利化されて使用できなくなるリスクもあります。

このように権利化と秘匿化は一長一短であり、保護したい技術に応じて使い分けることが理想的です。どちらも他社の模倣や権利侵害を防ぐという点では同じですが、特許出願には他にもメリットがあります。

・特許取得で成果が可視化され、財産となる
特許権は強い権利であり、自社の技術が特許を取得するということは一つの大きな成果だと言えます。社員のモチベーション向上に繋がるほか、社外へのアピールにもなります。まず、競合他社への競争力強化が挙げられます。強い特許を獲得できれば、新製品やサービスの開発で優位に立つことができます。また、ベンチャーキャピタルや銀行といった出資者に対し、自社の強みを効果的にアピールできます。特許を取得した技術はわかりやすい価値として認められるためです。さらに、消費者への販促にも活用できます。広告に「特許取得済」と記載することで、他社との差別化を図ることが可能です。

また、自社製品を守るだけでなく、特許の販売やライセンス契約によって利益を生み出すこともできます。このように、特許を取得すること自体が成果であり資産となるのです。

・特許出願の補助制度とは
特許出願には多くのメリットがありますが、費用面で躊躇されている方も多いかと思います。そこでぜひご活用いただきたいのが特許庁による特許料減免制度や交付金です。こちらのコラムで詳しく解説しておりますので、ご覧ください。
【コラム】知的財産権に関する補助制度の活用

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