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【コラム67】位置商標とは?カップヌードルのキャタピラ

2023.6.7

日清食品ホールディングス株式会社の「カップヌードル」は世界初のカップ麺として知られる大ヒット商品です。麺の製造方法に関する特許、麺をカップの中間に固定する方法に関する実用新案権を取得しています。商品名のロゴはもちろん、容器も立体商標として登録されています。このように複数の知的財産権で保護されているカップヌードルですが、2018年には新たに位置商標として登録されました。

位置商標は2014年に新たに導入された商標で、「文字や図形等」であり、かつ「商品等に付す位置が特定される」商標を指します。カップヌードルのパッケージは、容器の上部・下部に金色の帯状デザインが施されており、キャタピラと呼ばれるこの帯が位置商標に登録されています。

キャタピラはシンプルなデザインであり商品名等を含まないため、十分な識別力が認められずに拒絶理由通知を受けました。そこで、キャタピラのみが描かれた容器を見て商品名又はメーカー名を答えるアンケートを実施する、お客様相談室に寄せられた意見やネット上の書き込みを提出するなどして識別力の立証を行い、登録にこぎつけました。実施したアンケートでは83%以上の回答者が識別できるという結果になりました。発売当初から50年近くの間、大きなデザイン変更がなかったことの影響も大きかったと言えるでしょう。

このようにカップヌードルはロゴだけでなく容器の形状や模様まで商標登録を行い、競合商品との差別化や模倣品の抑止に成功しています。ヒット商品のブランドを守り育てていくためには、商品名の商標登録にとどまらない多角的な権利保護が必要です。

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