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【コラム51】パテントトロールの対策方法
今回は、特許訴訟で儲ける団体「パテントトロール」についてご紹介します。
パテントトロールとは、特許権を行使して和解金を得ることを目的とした団体です。彼らは特許を取得しても、自社の事業に活用することはありません。使われていない特許などを低価格で取得し、他社にライセンス料や和解金を要求することで利益を得ています。和解金はふつう訴訟費用よりも安価に設定されています。侵害訴訟に発展すれば時間的・金銭的な負担が増大するため、それらを最小限に抑えようと早期に和解金を支払ってしまう企業も少なくありません。パテントトロールにはどのように対処すればよいのでしょうか?
パテントトロールは違法行為ではありません。また、パテントトロールは事業を行っていないため、別の特許で相手の事業を差し止めるといった交渉も不可能です。早期に和解金を支払うことで解決は可能ですが、カモと見なされて繰り返し狙われるリスクもあります。よって、パテントトロールが主張する特許の有効性や権利範囲について調査し、和解金を最小化するために交渉していくことが大切です。
訴訟費用が高額で、証拠収集手続きが煩雑な米国ではパテントトロールの活動が盛んです。2011年の特許法改正によりやや落ち着いたものの、日本の特許を手に入れるパテントトロールも登場しており、今後は米国以外の地域に拡大していく可能性があります。また、最近では高額な和解金が期待できる大企業だけでなく、知財部員の人材が不足しがちな中小企業もパテントトロールのターゲットになっています。早期の和解金獲得のため、複数の特許で何度も警告して交渉する体力を奪うケースも見られます。IoT業界で特に問題視されており、関連事業を行う事業者は対策を検討したほうが良いでしょう。
被害に遭う前の対策として、恒常的な特許調査が挙げられます。自社事業に関連する他社の特許を調査し、権利範囲を確認しておくことで特許侵害を防ぐことができます。また、米国では特許連合などのパテント・プールが形成されています。複数の企業で共同体を作り、多くの特許をその中で共有することで、パテントトロールの手に渡る特許を減らすことができます。訴訟に備えて特許保険に入っておくのも有効です。米国など訴訟の多い国では多くの特許保険があり、海外進出を考える際に役立つでしょう。
実際に訴訟された場合の対策として、パテントトロールの持つ特許を無効化するための再審査請求が挙げられます。特許が無効になってしまうと、パテントトロールは取得費用を回収できなくなるリスクを背負うことになります。特許侵害が無いとしてパテントトロール側に逆提訴を行うこともできます。こちらもパテントトロールが敗訴のリスクを恐れて和解金を下げることが期待できます。
事業を安定して続けていくためには、日頃からの調査や証拠収集が大切になります。特許調査や海外進出をお考えの方は経験豊富な弊所にお任せください。無料でのご相談・お見積りも行っております。
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