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【コラム41】商標の登録要件~識別力~

2022.7.19

商標の登録要件として「識別力があること」が挙げられます。では、どのようなケースで識別力が無いと見なされてしまうのでしょうか。商標法に規定された「識別力が無い」商標についてご紹介します。

(1)普通名称
指定した商品・役務の普通名称を商標登録することはできません。例えば、サニーレタスの商品名として商標「サニーレタス」を登録する場合が当てはまります。略称や俗称であっても商標登録することはできません。ただし、指定した商品・役務以外の普通名称を商標登録することは可能です。つまり、車の商品名として「サニーレタス」を商標登録することは可能です。

(2)慣用商標
もともと商標として機能していたものの、同種の商品・役務について同業者間で使用されるようになったため、他社の商品・役務と区別する役割を果たさなくなった商標のことです。
慣用商標として判断された例に、指定商品「清酒」に使用する商標として「正宗」を出願した場合などがある。

(3)産地や販売地、品質などのみを表示する商標
商品の産地や販売地、品質などを表示するのみの商標も識別力がないとされます。指定商品「菓子」に使用する商標として「東京」を出願する場合、指定商品「シャツ」に使用する商標として「特別仕立」を出願する場合などが相当します。

(4)ありふれた氏や名称のみの商標
「山田」「鈴木」といった一般的な氏や、それに「商店」「屋」などを組み合わせた商標のことです。

(5)極めて簡単かつありふれた商標
かな文字やローマ字1字や数字、丸や三角などのありふれた輪郭のみからなる商標のことです。

以上の5つに該当しない場合でも、識別力を有しないと見なされた商標は登録できません。一方で、該当する場合でも、商標が使用された結果その商標が何らかの業務に係る商品・役務であると認識されるようになったものは登録を受けることができます。

商標の登録要件についてお悩みの方は、ぜひ弊所にご相談ください。組み合わせ方やデザインなど細かい部分を工夫することで、識別力を上げることが可能です。ご相談・お見積りは無料でいたします。

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