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【コラム62】商標取得と同時の発売~シーチキンの計画的大ヒット~
普段何気ない会話の中でも使われる「シーチキン」や「ツナ」という言葉。どちらも同じものを指す言葉に思えますが、その違いについてご存知でしょうか。
「ツナ」とは、一般にマグロやカツオ等を加工して油漬けにしたものを指します。缶詰やおにぎりの具として人気です。一方で「シーチキン」は、ツナの中でも、はごろもフーズ株式会社のネーミングした登録商標なのです。商標であることが分からないくらいに日常に浸透しています。
はごろもフーズ株式会社は1931年に創業し、以来90年以上の歴史をもつ食品メーカーです。ツナ缶詰市場では国内シェア率5割以上を誇ります。1957年には「シーチキン」を商標出願し、翌年に登録完了および販売がはじまりました。販売と同時に商標登録を終え、結果的に一大ブランドにおしあげた功績から、同社のマーケティングプランニングがいかに優れているか伺えます。
魚の缶詰は戦前からありました。しかしながら、明治時代の日本の缶詰は主に海外市場への輸出用のものであり、戦後もしばらくは、主にアメリカを中心に輸出を行う状態が続きました。そこで、はごろもフーズ株式会社(当時の後藤物産缶詰株式会社)が国内向けのツナ缶の販売をおこなうにあたって、研究と多額の広告費を費やし、宣伝をおこなったのも「シーチキン」大ヒットの秘訣です。発売とほぼ同時の商標登録も、悪用を未然に防いだことによるブランド保護の観点で重要であったといえます。
今では、大手コンビニであるローソンやファミリーマートのおにぎりの具にも使われており、そのパッケージにも商標が使われております。手にとってみた際にはチェックしてみてはいかがでしょうか。
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