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【コラム63】フランチャイズと知的財産
近年ニュースでもよく聞くようになりました「フランチャイズ」という言葉。そこには知的財産権が大きく絡んでいることはご存知でしょうか。
まず「フランチャイズ」とは端的に、ある個人・法人がビジネス成功者に対価を支払い、名前や経営ノウハウをもらう経営形態を指します。
自分がオーナーとなり、店を経営したい人Aさんと、ビジネスで成功を収めたB社を例に説明します。Aさんは店を始めたいが、経営ノウハウがなく、集客のために、開業時点からブランド力(知名度)がほしいと考えます。そこで同じ事業で成功を収めたB社にお金を支払うことで、B社を名乗りつつ、商品やサービスを販売することができる権利を得ることができます。
セブンイレブンやファミリーマートといったコンビニから、家庭教師のトライさんのCMでおなじみトライプラスといった学習塾でもフランチャイズ契約をもっています。
上述のAさんをフランチャイジー、B社をフランチャイザーと呼びますが、フランチャイジー(Aさん)最大のメリットは、経営においてフランチャイザー(B社)の名前を名乗れることです。
そこで重要視されるのがフランチャイザーのブランド力です。第3者が勝手にフランチャイザーと混同するような名前・看板で経営を始めた場合、フランチャイザーの信用や売上に悪影響を及ぼす可能性があります。そこでフランチャイザーは商標権を獲得し、自社のブランド力保護に務めるのです。顧客だけでなく、経営拡大のためにフランチャイジーも確保しなければならないフランチャイザーにとっては、商標権の登録は、非常に重要であるといえるでしょう。
商標権を登録する際は、その権利の範囲(商品や役務)を明確にする必要があります。
飲食店は商標登録の区分43類「飲食物の提供及び宿泊施設の提供」での出願の他に、フランチャイザーであれば、35類「広告、事業の管理又は運営、事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」での出願が必要です。逆にフランチャイジーを目指すのであれば、フランチャイザーの商標権の権利が及ぶ範囲を、正しく理解しておく必要があるといえるでしょう。
経営のノウハウや積み上げたブランド力は知的財産としての価値を生みます。ロゴやネーミングといった商標権だけでなく、ビジネスモデルであっても技術についての工夫があれば、特許権を取得することも可能です。
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