NEWS

【コラム53】分割出願の有効性

2022.12.1

今回は分割出願(特許法第44条)についてご紹介します。

特許出願の際には、最初の審査で拒絶理由が通知されることが多いです。一部の請求項に問題があったり、発明の単一性が無かったりする場合、出願の分割を行うことで解決できる可能性があります。出願の分割とは、もとの出願の一部を新しく出願しなおすことです。拒絶された請求項は分割出願し、もとの出願からは拒絶された請求項を削除して、部分的に早期の権利化を行うことができます。

分割出願の大きなメリットとして、もとの出願と同じ出願日だと見なされることが挙げられます。日本の特許制度は先願主義といって、同一内容の発明では出願日の早い者が権利を得ることになっています。そのため、競合他社に権利化されないためにも、分割出願を活用して早い出願日にできると良いでしょう。分割出願はもとの出願とは別の出願と見なされるので、分割出願の分割出願を行うことも可能です。その場合にも、一番最初の出願日が適用されます。

分割出願を行うために満たすべき要件はいくつかあります。第一に、もとの出願と同一の出願人である必要があります。また、分割出願の内容はすべて、もとの出願の明細書の一部でなくてはなりません。つまり、もとの出願に記載のない発明を分割出願することはできません。出願の分割が可能な時期は以下のいずれかの時期です。

(1) 明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時期
(2) 特許査定の謄本送達日から 30 日以内
(3) 最初の拒絶査定の謄本送達日から 3 月以内

分割出願は、もとの出願の出願時、そして分割直前の時点で明細書等に記載された発明である必要があります。これらの要件に注意しつつ分割出願を活用することで、早い出願日を確保しながらより着実な権利化を行うことができます。

分割出願をはじめとした、特許の取得や活用方法にお悩みの方はぜひ弊所にご相談ください。豊富な経験を活かし、最適なご提案を致します。無料相談・お見積りも行っております。

お問い合わせはこちら

こちらのコラムもぜひご覧ください。

【コラム】特許情報調査の種類

【コラム】特許情報調査に役立つデータベース



pagetop