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【コラム47】拡大先願とは? ~先願主義との違い~

2022.8.10

コラム47
拡大先願とは? ~先願主義との違い~

先願主義とは、先に出願をした権利が優先的に登録されるというものです。
同じ発明の二重特許登録を防止するための制度で、たとえ出願人・発明者が同じであっても後願は拒絶されます。
具体的には、特許は「特許請求の範囲」「明細書」「図面」等から構成されますが、後願の「特許請求の範囲」が先願の「特許請求の範囲」と同一である場合に先願主義が用いられます。

それでは、後願の「特許請求の範囲」が先願の「特許請求の範囲」「明細書」「図面」と同一内容である場合はどのように扱われるのでしょうか?

まず、先願の公開よりも後に後願が出願された場合です。この場合は、審査において新規性が認められず、後願が拒絶されます。
一方、先願の公開よりも前に後願が出願された場合には新規性を理由に拒絶することができません。ここで拡大先願が用いられます。

拡大先願とは、同じ内容の発明が二重に権利化されてしまうのを防ぐ制度で、特許法29条で規定されています。
先願の公開よりも前に後願が出願され、後願の「特許請求の範囲」が先願の「特許請求の範囲」「明細書」「図面」と同一内容である場合は拡大先願によって拒絶されます。出願人または発明者が同じであれば適用されません。

先願の「明細書」「図面」の内容まで対象になる点や、出願人や発明者が同一であれば適用されない点で先願主義と異なります。外国にも拡大先願はありますが、中国や韓国、ヨーロッパでは同一の出願人・発明者でも拒絶されるなど、細かい制度が異なるため注意が必要です。

拡大先願による拒絶を受けた場合、特許請求の範囲を補正することで拒絶が解消できる可能性があります。特許出願については経験豊富な弊所にお任せください。無料でのご相談・お見積りも行っております。

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